2012年05月03日

『日本文字の描き方』 売り切れ

お買い上げありがとうございました

商業グラフィックデザインの仕事がまだ総て手作業だった昭和30年代の、日本語レタリングの基礎について解説した本です。
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著者の大谷四郎氏は西武百貨店宣伝部の嘱託デザイナーだったようです。

印刷に用いられる文字の概念から用具の用法、各書体の描き方のコツや割り付けなど、レタリングのことがひと通り学べるように構成されています。
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最近は書体デザインをなさる方もいきなりコンピュータ上で始めてしまわれることが多くなっているようにも聞きますが、やはり描き文字のことは踏まえておかれる方がより好いのではないかしらん。

昭和34年初版、この本は37年の第5版です。結構売れたようですね。
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著者紹介があるところが、昭和初期以前のこの手の本と違うところですねぇ。

大きさ:およそ15.5cm弱×21.5cm×1.5cm弱 扉+目次2ページ+本文138ページ+跋文2ページ+奥付+既刊案内

重さ:およそ400g弱

先ずはグラフィックデザインに用いる印刷用文字とはどういう条件が求められるか、ということが説明されています。
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「個人癖のないこと」というのは大事だと思いますね。

漢字をバランスよく見せるための分割割合や部首のバランスの取り方などを、例を挙げて解説してあります。
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これは明朝体のとめ・はね・はらいなどの各部分の描くコツ。
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この辺は結構役に立つのでは。

竹ペンや謄写版(がり版)など、今では殆ど使われなくなった道具による描き方なども載っています。
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最後の方には当時のデザイン文字実例あれこれ。
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赤ペンで傍線を引っ張ってあるところが何箇所かあります。この右側のページが一番激しいです。
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ところどころに褐変した染みもあります。

レタリングの練習をページの余白でやってしまっているところも…。
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但し、元の図版や文字が隠れてしまうような書き込みはありません。

栞紐は尖端が解れています。
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やや短い気がしますので、もしかすると少々ちぎれたのかも知れません。

表紙は擦れがあり、殊に黒い地色の表側は白っぽく斑になっています。本文紙も小口は幾分紙焼けしています。
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背は破れ・剥がれなどもなく、綴じを含めしっかりしています。

裏表紙はナイフで紙を切る台にしたらしく、何本か刃物傷があります。厚さが2.5mmもある板紙だからでしょうね。
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地側の真ん中辺りに油染みのような変色があります。
posted by 黯ねこ at 19:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 道具工具 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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