明治後期の、人間の生理学についての旧制中学用教科書です。

著者の坪井次郎氏は二十代前半で早くも帝国大学助教授となり、ミュンヒェンで感染症の研鑽を積んで帰国、明治33年の京都帝国大学医科大学創立時にその学長となった方だそうです。

…が、僅か四十余で亡くなっています。随分とまた早死にですねぇ。
明治35年訂正再版です。坪井博士はこの翌年に歿していますので、最晩年の著書ということになります。

この本は並製ですが、10銭高い上製本もあったことが判ります。また、国立国会図書館の「近代デジタルライブラリー」では初版と訂正3版とが公開されています(但しモノクロで、しかもあんまり鮮明ではありません)が、印刷所がいずれも集英舎になっています。著者名のところに「坪井氏章」という検印が捺されていますが、上の検査印のところは空っぽですね…出版社の意図が著者に伝わらなかったのかしらん。
版元の金港堂書籍は明治期の教科書や教育関係図書の出版社として知られていますが、この年には日本初の少女向け雑誌『少女界』も出しています。また、社長の原亮三郎氏は明治8年に横浜で創業した金港堂を翌年日本橋に移した後明治期有数の出版社に育て上げただけでなく、第九十五国立銀行の経営立て直しに成功したり第2回総選挙で衆院議員に当選したりもしているそうです。
大きさ:およそ22.5cm弱×15.5cm弱×1cm 扉+口絵など3ページ+目次(例言含む)4ページ+本文150ページ+折り込み図版1枚+奥付+シリーズ一覧
重さ:およそ240g
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